最初に言ってしまいます。プロフィールブックは、なくても結婚式はできます。席次表だって、正直なくてもいい。座席を案内するだけなら、もっとシンプルな方法がある。コストをかけてわざわざ作る意味が見えないなら、削るという判断は間違っていない。——ただし、それは「今まで見てきたようなものを作る場合」の話です。
そもそも「席次表」って、何のためにあるのか
「席次表」という言葉の「席次」は、座席の順番——つまり、誰が上座に座り、誰が下座に座るか、を示すものです。目上の人を上席に、という考え方から生まれたものです。
でも今の結婚式で、そんな発想を持っているカップルはほとんどいません。上司だから上座、部下だから下座——そういう感覚で結婚式を設計しているふたりは、今どのくらいいるでしょう。
だから「席次表はいらないのでは?」という声が増えているのは、ある意味では正しい。本来の意味での「席次」は、もう必要とされていない。
残るのは「座席を案内する」という機能だけ。それなら入り口に一枚貼っておけばいい、という考えも理にかなっています。シーティングチャートやエスコートカードが広まっているのも、そういう流れからです。
ペーパーアイテムが「削れるもの」に見える本当の理由
結婚式の予算が膨らんできたとき、削る順番はだいたい決まっています。
ドレスは削れない。装花も削りにくい。料理も外せない。演出も、ここまで考えてきたから。そうやって削れないものを並べていくと、最後に残るのがペーパーアイテムです。
なぜペーパーアイテムだけが「削れる」と感じるのか。それは、ペーパーアイテムが「自分たちのためのもの」に見えないからだと思います。ドレスは自分が着るもの。料理は自分たちも食べる。でもプロフィールブックは、自分たちが読むわけじゃない。
自分たちから一番遠いアイテム、として見えてしまう。だから削りやすい。
——でも、よく考えると、「自分たちのためではない」ということは、「ゲストのためのもの」ということですよね。
「感動したことがない」の正体
もうひとつ、「プロフィールブックはなくていい」と思う理由があります。
誰かの結婚式でもらったとき、印象に残らなかった。写真がたくさん並んでいて、ちらっと見て、ごはんが来たら閉じた。特に何も困らなかったし、帰りに「あのプロフィールブック、よかったね」とはならなかった。
そういう経験をしているから、「あんなものなら、うちはなくていいよね」となる。
その判断は、自分の経験に正直に従っている。責めるどころか、当然の結論だと思います。
ただ——ひとつだけ確かめてほしいのですが。そのとき手にしたプロフィールブックは、本来できることをできていたでしょうか。
実は、世の中にある多くのプロフィールブックは、本来の役割を果たせていません。ふたりの写真と馴れ初めを載せる。それ自体は悪くないけれど、ゲストにとっての「読む理由」がほとんどない。だから印象に残らない。印象に残らないから「いらない」と思われる。その繰り返しです。
「感動したことがない」のは、あなたの感性の問題ではなく、感動させるものがなかっただけかもしれません。
プロフィールブックが本来できること
では、本来の役割とは何か。
ゲストは結婚式当日、受付を済ませてから披露宴が始まるまでの間、30分から1時間ほど待ちます。知り合いがいれば話せる。でも、初めて会う人ばかりの席に座っているゲストは、手持ち無沙汰になりがちです。そこに手元で読めるものがあるかどうか。それだけで過ごし方がずいぶん変わります。
さらに、プロフィールブックはゲストとふたりの距離を縮めることができます。ふたりがどんな人で、どんな出会いをして、なぜそのゲストを式に呼んだのか——そういうことが丁寧に書かれていれば、ゲストは「ここに呼んでもらえた理由」を知ることができます。
ゲスト同士をつなぐこともできます。隣に座っている人がどんな人なのかわかれば、自然と会話が生まれます。「同じ趣味なんですね」「学生時代からのお友達なんですね」——そんな小さな会話が、場をあたたかくしていく。
受付でゲストが最初に手にするもの。それが、その結婚式の最初の印象をつくります。
ペーパーアイテムは「自分たちから遠いもの」ではなく、ゲストに一番近いものです。ゲストが直接受け取り、ゲストの手の中で読まれる。その意味では、式場の装花よりも、よほどゲストに届くアイテムです。
削るなら、知った上で削ってほしい
プロフィールブックは必要か——その答えは、正直、作り方次第です。
今まで見てきたようなものを作るなら、確かにコストを他に回した方がいいかもしれない。でも、ゲストとのつながりをつくるために、感謝を届けるために、場の空気をあたためるために作るなら——その役割を果たせるアイテムです。
削るかどうかの判断は、もちろんふたり次第です。ただ、「今まで見てきたもの」だけを根拠に決めてしまうのは、少しもったいない気がします。どんなものが作れるかを知った上で、それでも削るなら、それはきちんとした判断です。
FREE CONSULTATION
どんなプロフィールブックが作れるか、一緒に考えましょう。
「まだ作るかどうか決めていない」という段階でも大丈夫です。ゲストのこと、ふたりのこと、伝えたいことを伺いながら、どんな一冊になれるかをご提案します。