結婚式を挙げる理由は、人それぞれです。大切な人たちに結婚を報告したい。これまで支えてくれた人たちに感謝を伝えたい。友人たちと、人生の節目を一緒に過ごしたい。どれも、とても自然であたたかい理由だと思います。ただ、「感謝を伝えたい」と思うだけではなく、どうすればその感謝がきちんと届くのかまで考えることが、実はとても大切です。

結婚式は、ゲストを迎える場でもある

かつての結婚式では、仲人や媒酌人が立ち、ふたりを周囲に紹介する役割を担うことが一般的でした。列席者が新郎新婦を祝福するという構図は、とても自然なものでした。

もちろん、今の結婚式でも、ゲストがふたりを祝福することに変わりはありません。大切な人たちが集まり、ふたりの門出を祝ってくれる——それは結婚式の大きな喜びです。

一方で、今の結婚式では、多くの場合、ふたり自身がゲストを招待します。つまり、ふたりはゲストを迎える立場でもあります。

招いた人をもてなす。来てくれた人に楽しんでもらう。自分たちのために時間を作ってくれた人へ、きちんと気持ちを届ける。

そう考えると、結婚式では「感謝をどう伝えるか」がとても重要になってきます。どんな場面で感謝を伝えるのか。どんな工夫があればゲストが心地よく過ごせるのか。どうすれば「今日来てよかった」と感じてもらえるのか。そこまで考えていくことで、結婚式はもっとふたりらしいものになっていきます。

プロフィールブックは、誰のために作るものか

結婚式のペーパーアイテムとして、昔から当日の席次表があります。新郎新婦のプロフィール、席次、料理のメニューなどが載った、結婚式に必要な情報を伝えるものです。

最近では、席次表よりもページ数の多いプロフィールブックを作るふたりも増えてきました。前撮り写真、馴れ初め、思い出の写真、ゲスト紹介——一冊の冊子として、結婚式後も手元に残るアイテムです。

ただ、ここで少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。

そのプロフィールブックは、誰のために作るものでしょうか。

ふたりの写真をたくさん見てもらうため。馴れ初めを知ってもらうため。おしゃれな冊子として記念に残すため。もちろん、それも素敵です。ふたりのことを知ってもらうことは、結婚式において大切なことです。

でも、もし結婚式の目的のひとつが「ゲストに感謝を伝えること」なら、プロフィールブックもまた、ゲストのためにどう役立てられるかを考えてみてもいいかもしれません。

ゲストは、自分の居場所を感じられると嬉しい

一般的なプロフィールブックでは、ゲストに関する情報はあまり多くありません。席次表の中に自分の名前はある。けれど、自分がどんな存在としてこの場に呼ばれているのかまでは、なかなか伝わりません。

結婚式に招かれることは、もちろん嬉しいことです。でも、ゲストの中には、少しだけ不安を感じている人もいます。

  • 一人で参列する方。
  • 久しぶりに会う友人。
  • 学生時代は親しかったけれど、最近は少し距離が空いていた方。
  • 新郎側、新婦側のどちらにも知り合いが少ない方。

そういうゲストは、心のどこかで「自分はここにいていいのかな」「なぜ自分を呼んでくれたのかな」「今日は誰と話せばいいのかな」と感じているかもしれません。

だからこそ、プロフィールブックには、ゲストが自分の居場所を感じられるような工夫があってもいいと思います。その方法のひとつが、ゲスト紹介です。

ゲスト紹介には、二つの役割がある

プロフィールブックでゲスト紹介をするとき、その役割は大きく二つあります。

ひとつは、ゲストにふたりからの気持ちを届けることです。その人とふたりがどんな関係なのか、どんな思い出があるのか、どんなところに感謝しているのか。そうしたことを言葉にすることで、ゲストは「自分もこの結婚式の大切な一員なんだ」と感じることができます。

感謝は「ありがとう」と書くだけで伝わるとは限りません。もちろん、その一言も大切です。でも、その人との関係を丁寧に言葉にすることで、もっと深く届く感謝があります。「自分との関係を、ちゃんと大事にしてくれていたんだ」「今日ここに呼んでくれた理由がわかった」——そう感じてもらえる紹介文は、何よりの感謝の言葉になります。

もうひとつは、ゲストをゲスト同士に紹介することです。趣味、仕事、出身地、新郎新婦との関係、ちょっとしたエピソード——そういった情報が載っているだけで、初対面のゲスト同士が話しかけるきっかけが生まれます。

「同じ趣味なんですね」「このエピソード、面白いですね」「新婦とは学生時代からのお友達なんですね」

そうした小さな会話が、場を少しずつあたためてくれます。ゲスト同士が少しでも仲良くなってくれたら、ふたりにとっても嬉しいことですし、ゲストにとっても、その結婚式はより楽しい時間になるはずです。

ゲストの顔ぶれによって、ふさわしい構成は変わる

とはいえ、プロフィールブックは必ずゲスト紹介を中心に作らなければいけないというわけではありません。大切なのは、招くゲストにとってどんな内容があると嬉しいのかを、逆算して考えることです。

たとえば、ふたりの共通の友人が多い結婚式なら、個別のゲスト紹介よりも、みんなで過ごしてきた時間をたどるような構成が合うかもしれません。学生時代の思い出、何度も集まった場所、共通の友人たちとの写真やエピソード——そうすることで、ゲスト全員が同じ記憶を共有しながら楽しめる一冊になります。

一方、親族が多い結婚式なら、互いの家族や親族を紹介することが大切になるかもしれません。親族同士は、結婚式当日に初めて会うことも少なくありません。そのような場合は、家族や親族のことを載せることで、相手方の方にも話しかけやすくなります。家系図を載せるのも、ひとつの方法です。

また、新郎側のゲストが新婦のことをよく知らない場合には、「これから自分が夫婦として一緒に生きていく相手はこんな人です」と伝えることも、とても大切です。相手はどんな人なのか、どんな価値観を持っている人なのか、これからどんな夫婦になっていきたいのか——そうしたことが伝わるプロフィールなら、ゲストはふたりの結婚をより深く理解し、より自然に祝福できると思います。

招くゲストはどんな人たちか。そのゲストとふたりはどんな関係か。ゲスト同士にはどんな関係性があるか。初対面の人が多いのか、共通の友人が多いのか、親族中心なのか。そうしたことを考えながら、どんな内容だと楽しんでもらえるかを考えていくことが大切です。

プロフィールブックは、当日の時間も豊かにする

プロフィールブックには、もうひとつ大切な役割があります。ゲストに「手持ち無沙汰な時間」を作らないことです。

結婚式では、意外と何もすることがない時間があります。受付を済ませたけどまだ知り合いが来ていない。一人で早く着いてしまった。開宴まで少し時間がある。披露宴中に、ふと会話が途切れる——そんなとき、手元にプロフィールブックがあれば、ゲストはそれを読んで楽しむことができます。

ふたりのことを知る。他のゲストのことを知る。今日ここに集まっている人たちの関係性を感じる。一人で読んでも楽しめるし、友人同士で読んでも楽しめる。知らない人と話すきっかけにもなります。

そう考えると、プロフィールブックは単なる記念品ではありません。結婚式当日の時間を、ゲストにとってより心地よく、より楽しいものにするためのアイテムでもあります。

直接話せない代わりに、気持ちを届ける

本来、感謝の伝え方として理想なのは、ふたりがゲスト一人ひとりとしっかり話をすることだと思います。今日は来てくれてありがとう。これまで支えてくれてありがとう。そういう気持ちを、直接一人ひとりに伝えられたら、それが一番です。

けれども、結婚式の時間は限られています。進行もあり、写真撮影もあり、挨拶もあります。すべてのゲストとゆっくり話す時間を作るのは、現実的にはなかなか難しい。

だからこそ、プロフィールブックが役に立ちます。

ふたりが直接話せない代わりに、プロフィールブックが気持ちを届ける。ゲスト一人ひとりに「あなたに来てほしかった」「あなたの存在を大切に思っている」という気持ちを伝える。そして同時に、ゲストがふたりのことをより深く知り、他のゲストのことを知り、その場に集まった人たちの関係性を感じられるようにする。それが、プロフィールブックの大きな役割だと思っています。

ただ作るのではなく、意味を持って作る

プロフィールブックは、「みんなが作っているから作るもの」ではありません。

デザインにこだわることも大切です。写真をきれいに見せることも大切です。紙面として美しく仕上げることも、もちろん大切です。でも、それだけではありません。

何のために作るのか。誰に向けて作るのか。ゲストにどう感じてもらいたいのか。結婚式という一日の中で、どんな役割を果たすものなのか。

そこまで考えて作ることで、プロフィールブックの価値は何倍にも高まります。

  • ふたりのことを知ってもらうため。
  • ゲストに感謝を伝えるため。
  • ゲスト同士の会話を生むため。
  • 家族や親族の関係性をつなぐため。
  • 結婚式当日の時間を、もっと楽しく過ごしてもらうため。

プロフィールブックには、そうした役割を持たせることができます。

ふたりが大切にしてきた人たちに、何を伝えたいのか。どんな気持ちで帰ってほしいのか。どんな時間を過ごしてほしいのか。そこから考えて作るプロフィールブックは、きっと、ふたりにとっても、ゲストにとっても、結婚式をより深く記憶に残るものにしてくれるはずです。

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